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​ぶり返し、そして二度目の―――

九月頃に入った頃、仕事も順調で、ニコ動も復活し、いつもの日々が戻ってきたと感じ始めたが、再びパチンコに足蹴無く通う日々を繰り返す様になった。しかも彼氏の村ちゃんにも内緒でほぼ毎日行っていた。

原因は最近になって堺の大野芝に新たにキクヤ堺本店が出来た事、そしてそこの一円パチンコに牙狼11が置いてあった事(現在は撤去されたが)、それを打ちに行く為に何度も通った事。しかも幸運な事に幾度も勝利していた事―――それが元凶となり、"勝ち"の快楽に溺れてしまった。

​そもそもパチンコは勝てない様に出来ている。公共ギャンブルなので負ける事が多い。なのにツイていたのか、この頃の自分はパチンコに行く度に勝ち続けた。羽目を外すと言った様なもので毎回勝てるはずがない。それを分かっていても行ってしまう自分―――最早、呑まれていたのだ。

ある日、とうとう運が尽き始め、負け越す様になる。それが何度も続き、負けを取り戻そうとして負けを繰り返す様になる。またあの頃のパチンコに行き浸ってる自分に戻ってしまった。曲作りもままならず、仕事にもあまり行かず、パチンコに暮れる日々―――とうとう心が限界を迎えてしまった。

―――もう、生きても仕方がない。死のう。

その日は一円でも八千円も負けて、家に帰って来た。その時は何もやる事もその気力も出なかった自分はふと呟いた。

―――ナベさん(渡辺裕之)の元へ行きたい。ナベさんに会いたい。ナベさんと同じ死に方で死のう。

ナベさんの死因は縊死(いし)。首に紐状等の布が首を絞めて圧迫し続けた果てに死に至るという状態を指す。自分もこの死に方ならいけるだろうと、ドアノブにバスタオルを引っ掛けて、それを首に巻き、自分の体重で絞めていこうとした。

​あの時、未練は無かった。生まれ変わったら、もっと何でも出来て、何でも自分の思い通りに出来る、幸せな生き方をしてやるとも願い、生まれ変われなかったら、魂のまま彷徨ってるナベさんに会って、生きてた頃のいろんな話がしたいとも思っていた。

ドアノブにタオルを引っ掛けた、首にタオルを巻いた、後は体重を乗せて絞めていけば、今度こそ楽になれる―――しかし、その時だった。

"こんな事で死んじゃいけない、死んだら何も出来なくなるんだ"

声がしたと同時に、誰かが首に巻き付いたタオルを解こうとしていた。そしてタオルは解け、自分はまた死に損なった。

あの時と同じ、ナベさんの声だった。今度は本当に自分を助けた。何でだろうと泣きたくなった。

―――どうしてこんな自分が生きなきゃいけないの、ナベさん。

息をしている自分は、既に息をしていないナベさんに対してこう思った。

自分はナベさんに会いたかったのに。どうして助けたんだろう。どうして生きてほしいんだろう。

"人生は良い事も辛い事もある、それを経験してほしい。僕はもう、それを経験出来ないから"

もう生きれないナベさんがこう言っていた。

​自分には、生きてほしいのだと―――。

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