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​落ち着いた日々

ナベさん(渡辺裕之)が声を掛けたり、憑依したりしてた時期は本当に落ち着いた日々が続いた。

やる気が出なかった仕事に楽しく向き合う様になったり、パチンコに行って勝っても負けても落ち着けるようになっていた。

まるで生きている事を心から楽しむ様に。それは正しく、自死という結末を選んだナベさんが、まだ生きたかったかの様に、今を懸命に生きている感覚だった。

​正に"安定期"。心に余裕が出来て、やりたい事を常にやっていく状態で日々を過ごした。

ニコ動は未だにダウンした状態だったが、曲作りも再開し始めていた。いつかボカコレが開催される事を願って、DAWを開いて、浮かんだフレーズを少しづつ曲に変えて、ニコ動の再開に備えて準備し始めていた。

ラシクラボでは、ペンタブを使ったイラストの描き方を学び始めた。それまでは紙に絵を描いて、それを動画に使っていた。時には簡易的なイラストソフトで絵を仕上げてそれも動画に使う。言わば一枚絵動画である。

初期のボカロ曲ではこの様な一枚の絵だけで動画を作り、曲を載せていた。今は様々なエフェクトや演出を使った動画が多いが、今でも一枚絵と曲だけの動画も少なくない。自分はこの一枚絵動画が得意で、エフェクトはあまり使わない。と言うか、エフェクト自体操るのが苦手なだけで、自分の動画の大半は一枚絵動画なのである。

だが、ただ下絵を描いてペン入れしただけの絵では迫力に欠ける。そこで、ペンタブを使った絵を本格的に学ぼうと思ったのである。

アナログとデジタルでは絵の描き方は同じ様で全く違う。紙とレイヤーは似て異なる物。紙は下絵を描いた後に肉付けしてペン入れしていくが、レイヤーは下絵を描いた後に別のレイヤーを重ねて肉付けしていく。ペン入れもさらにレイヤーを重ねていき、色付けもレイヤーで行う。色付けが終わったら仕上げの影とハイライトを乗せるのだが、その作業が難しい。影を付ける際は影用のレイヤーに付けたい影の部分を上に置き、クリッピングして、色の付け方を"乗算"にして影を付けていく―――その作業を繰り返していく。

最初はちんぷんかんぷんだったが、何度も描いていくうちに少しづつだが覚えていった。

そうして出来上がったペンタブの絵を見て、自分は嬉しくなった。

初めてペンタブで描いた絵をX(Twitter)とインスタ(Instagram)に載せてみた。

その絵は、自分に生きる大切さを教えたナベさんの姿と、その肩に乗っているデフォルトされた自分―――。

自分はインスタを開設していたが、解説したまま更新が止まった状態だった。ある事をきっかけに更新し始めた自分のインスタ―――その理由は、そのナベさんがインスタを残していたからであった。

​二度と更新されないナベさんのインスタを見て、ナベさんの為に描いた自分の絵が、何処かで見守っているナベさんに見てもらえたらという、ささやかな思いで載せたのだった。

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