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はじめに
思えば疲弊するばかりだった。
突如として起こったこの不可解かつ理解出来ない事態は何でも気にする自分にとっても思わぬ大打撃となった。メディアは毎日不安を煽る情報しか報じないし、肝心の政府は自分達の状況を何とかしたい為か全く打開策を講じないし挙句の果てに総理が変わった。情報に関しても荒稽滑稽なデマも広がるばかりか、どこぞの国の細菌テロだとかのデタラメ過ぎる陰謀論も出る始末。(自分の見解だが)病んでる人達しか見当たらないSNSでは、毎日不満や不安を愚痴り、更に不安とデマを煽る始末。
そんなものでさえも細かく気にしてしまう自分は毎日この様な話を聞く度になおかつ繊細な心に響きまくり、精神も心も病んでしまい、日々体調を崩すようになり、仕事も休みがちになった。
おかげで創作活動もままならず、結果的にパチンコにひた走り過ぎた結果勝ち負けを繰り返したせいで更にズタボロになった。自分の体のケアさえもままならなくなってしまったのだ。
幸い、自分の周りには心配してくれる家族や彼氏、更には仕事仲間らのおかげで少しづつであるが自信と調子を取り戻してきた。そんな頃に自分は、自分が最も没頭していた日々を思い出した。
遡ること十年前、漫画の表現を規制するといわれる東京都青少年育成条例を知って、それに反対の意を込め、ネット上に小説を書いていた(Eエブリスタには今もその小説が残っている。詳しくはEエブリスタにて黒い東京と検索すれば出て来ます。駄文である故、内容についてはお察し願いたい)。しかし、小説の題材にする為、その条例を調べていくうちに、この国を嫌う人々―――反日の実態を知って愕然となり、それまで明るいと感じて見ていた世界が一瞬にして黒よりも暗黒の世界に変わってしまった。メディアも嘘を付いてるというのを信じ込んでしまい、TVも見る事さえもままならず、毎日CS放送での懐かしい、TVや時代が明るかった頃の番組や映画を見続けては見入るように見ていた。その為未だにCS放送が手放せない。その頃に出会った彼氏から疑いも大事だが信じる事も大事と絆され、次第に全てが全てじゃないというのを理解していき、少しづつ前向きになれる様になった。ただ、その時のトラウマは引きずり、その頃にやっていたモバゲーもやめ、今も病んでる事しか書かれてないSNSには一度も手を出していない。
ただ、こうした状況を経験したおかげで、小説を書く題材には相応しく、先程の小説はその今期だけで書き上げたのは言うまでもない。
この様に自分は、物語で世界を変えるという、僅か0,01%の可能性を信じているのだ。
たとえ今回の状況に関して書かれたこの作品でも徒労に終わってしまうかもしれないが、それでも自分は、物語が何処かの何かを変える力があるという事を信じている。
2020.11/20.Daikichi
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